ネットワークの疎通確認で、まず最初に使われるのが ping(ピング)コマンドです。
「相手まで通信できるか」を手軽に確認できるため、ネットワークトラブルの切り分けでもよく使われます。
Windowsの ping -t は、停止するまでpingを連続して実行するためのオプションです。Ctrl + C で停止でき、通信が一時的に途切れていないか、応答時間が大きく変化していないかを継続して確認できます。
この記事では、pingの基本的な使い方、結果の見方、ping -t の実行・停止方法、実際のトラブル対応での使い方まで初心者向けに解説します。
pingの基本的な使い方(まずはここを押さえよう)
pingコマンドは、指定した相手に対して通信確認用のメッセージ(ICMPパケット)を送り、
相手から応答が返ってくるかどうかを確認するためのツールです。
Windows環境では、コマンドプロンプトを開いて次のように入力します。

この例では、Googleの公開DNSサーバー(8.8.8.8)に対して通信確認を行っています。
実行すると、数回分の応答結果が表示されます。
ping結果で見るべきポイント
pingの結果には、通信状態を判断するための重要な情報が含まれています。
- 応答時間(time=○ms)
pingを送信してから応答が返るまでの往復時間です。一般に値が小さいほど遅延は少ないといえますが、正常な値は通信先までの距離やネットワーク構成によって異なります。
1回の値だけで判断せず、普段の値や変動幅と比較することが大切です。 - Request timed out
一定時間内に応答が返ってこなかったことを示します。ただし、通信断だけでなく、ファイアウォールなどでICMPが制限されている可能性もあります。 - パケット損失(ロス)
送信したpingの一部に応答が返らなかった状態です。通信経路や機器の状態をさらに確認する必要があります。
すべての応答が正常に返ってくれば、
「少なくとも ping が通るレベルでは通信できている」と判断できます。
pingで応答が返ってこない場合は、通信がどの経路で止まっているのかを確認する必要があります。
次のステップとして、traceroute(tracert)コマンドの使い方もあわせて確認してみてください。
pingだけでは分からないこともある
pingが成功しても、「ネットワーク通信がすべて正常」とは限りません。
pingで主に確認しているのはICMPによるIPレベルの通信です。そのため、
- pingは通るがWebページが開かない
- IPアドレスにはpingできるが名前では通信できない
- 特定のTCPポートだけ通信できない
といったケースがあります。
pingは通るのにWebサイトが開かない場合は、DNS、TCP、HTTP/HTTPSなどを順番に切り分ける必要があります。
一方、「ときどき通信が切れる」といった症状を継続して確認するときには、次に紹介する ping -t が役立ちます。
ping -tの意味と使い方
ping -t は、Windowsで停止するまでpingを連続実行するためのオプションです。
ping -t 8.8.8.8
次のようにIPアドレスの後ろに -t を付けても実行できます。
ping 8.8.8.8 -t

通常のWindows pingは既定で4回送信すると終了しますが、-tを指定すると Ctrl + C で停止するまで送信を続けます。
そのため、「通信がときどき切れる」「機器切り替え時に何秒程度通信が途切れるか」といった状態を継続して確認するときに便利です。
💡 補足
Unix系(LinuxやmacOS)ではpingがデフォルトで無限送信されるため、-tオプションの意味が異なります(TTLの指定など)。
本記事はWindows環境を前提としています。
ping -tの送信間隔は変更できる?
Windows標準の ping コマンドには、pingを送信する間隔そのものを直接指定するオプションはありません。
なお、-w オプションは送信間隔を変更するものではありません。これは、pingを送信したあとに応答を待つタイムアウト時間をミリ秒単位で指定するオプションです。
ping -w 2000 192.168.1.1
この場合は、「2秒間隔でpingを送る」という意味ではなく、「応答を最大2秒待つ」という意味になります。
ping -tの終了方法と注意点
ping -t は手動で止める必要があります。停止するには、Ctrl + C を押しましょう。
終了時には、以下のような統計情報が表示されます:
Ping statistics for 8.8.8.8:
Packets: Sent = 10, Received = 10, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 8ms, Maximum = 15ms, Average = 10ms
- 送信・受信パケット数
- 応答ロス(%)
- 平均応答時間(ms)
もし途中で「Request timed out」が続いた場合、それは一時的な通信断のサインかもしれません。
ただし、ファイアウォールなどによりICMPパケットがブロックされているケースでも同様の表示になることがあります。
⚠ 注意
ping -tを使う場合は、基本的に自分で管理している機器や、確認する許可のある通信先に対して実行しましょう。インターネット上のサーバーではICMPへの応答を制限・拒否している場合もあるため、pingに応答しないことだけで「相手が停止している」と判断しないことが重要です。
他のpingオプションとの違い
pingには -t 以外にも便利なオプションがあります。
-n:送信回数を指定(例:ping -n 10 192.168.0.1→ 10回だけ送信)-l:パケットのサイズを指定(例:ping -l 1000 192.168.0.1)
-tは「止めるまで続く」のに対して、-nは「○回だけ送る」という違いがあります。
💡 例え話
「-n」は10回だけ手紙を送る感じ。
「-t」はポストに手紙を入れ続けるイメージ。
「-l」はその手紙のサイズを変えるようなものです。
実務での活用シーン
ping -t は、実際のネットワークトラブルでも次のように利用できます。
- LANやVPNが不安定なとき、通信が途切れるタイミングを確認する
- PCからデフォルトゲートウェイへ継続pingし、LAN側で通信断が起きていないか確認する
- 機器交換や回線切り替え時に、通信が途切れている時間を確認する
- 冗長構成でActive/Standbyが切り替わる際の通信断時間を確認する
ただし、pingが失敗しただけでLANケーブルや特定の機器が故障しているとは判断できません。
ケーブル、NIC、VLAN、IPアドレス、ルーティング、ファイアウォールなど、複数の原因を順番に切り分ける必要があります。
【まとめ】
Windowsのpingコマンドについて、まず覚えておきたいのは次の3点です。
- pingはICMPを使って相手までの到達性や応答時間を確認するコマンド。ただし、ping成功だけで通信全体が正常とは判断できない
ping -tを使うと停止するまで継続してpingでき、Ctrl + Cで終了できる- 通信が途切れる場合は、pingの結果だけで原因を決めつけず、traceroute、DNS、TCP/HTTPなどへ切り分けを進める
初心者でも気軽に使える ping -t。
ぜひ自宅や職場のネットワーク診断に、試してみてくださいね!

